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【注文住宅】一社検討と相見積もり、どちらが良いか?300人に聞いたメリット・デメリットまとめ

こんにちは!
カツオです。

ぼくは先日、三井ホームで家を建てました。
ハウスメーカー選びをしていた頃は、積水ハウスや住友林業も検討し、3社で相見積もりしました。

このようなお悩みはありませんか?
  • 「見積もりを取る前に、一社に絞ってください」と営業マンから言われた。相見積もりを取るのは、よくないのかな?
  • 一社検討のつもりだったけど、適正な金額で家を建てられるか不安。実は、相見積もりを取ったほうがいいんじゃないか?
  • 相見積もりしたほうがいいって意見もあるけど、気に入っているハウスメーカーの営業マンとの信頼関係にヒビが入りそう…

実は僕も、当時似た悩みをかかえました。
例えば、当時検討していたスウェーデンハウスの営業マンから、はっきりとこう言われました。

「プラン提案や見積もりを取る際は、まずは弊社に決めていただいてからになります。」
ってね。

実は、スウェーデンハウスとの打ち合わせが、僕にとって初めてのハウスメーカーとの打ち合わせでした。
「1社に決めてから見積もりを取るって、ぶっちゃけ他社と競合させないように誘導してるのかな?」
という疑問や不安でいっぱいになりました。

一社検討にするか、相見積もりを取るか。
ネット上では「一社検討」を勧める人と、「相見積もり」を勧める人と、それぞれいます。

実際には、それぞれメリット・デメリットがあり、あなたにとっての正解はあなたにしかわかりません。
でも安心してください。
カツオが情報を整理して、日本一わかりやすくご説明します。
これからハウスメーカー選びをする方は、ぜひ最後までご覧ください。

試しに、ツイッターで交流のある施主さんたちに向けて、こんなアンケートを取ってみました。

<アンケート>
質問:一社検討と相見積もり、どちらでしたか?もし、また家を建てるならどうしますか?

(注文住宅で、ハウスメーカーや工務店と契約後の人を対象に実施。)

合計で363名の施主さんに、回答いただきました。
ご協力いただいたみなさん、ありがとうございます!

アンケートの結果を図にまとめると、こんな感じです。

カツオ調べ

約6割の人が「相見積もり」、残りの約4割の人たちは「一社検討」しているようです。

みなさんは、この結果を見てどう感じましたか?
正直なところ、僕はこの結果に驚きました。
というのも、「8割以上は相見積もり」だと予想していたからです。

僕の職業は、システムエンジニアです。
経験上、「相見積もり」が基本中の基本。
業者からなにか買うときは相見積もりするし、お客さんに売るときは相見積もりされます。

それが当たり前だと思っていたので、家を作るときも当然だろうと。
そう、思っていました。

しかし、実際には4割以上の人が「一社検討」
これには驚きました。

決して「一社検討」を、否定しているわけではありません。
安心してください。
この記事では、客観的に「一社検討」のメリットも解説します。

大事なことは、あなたの性格や状況に合わせて、正しい選択をすることです。
この記事を読んでいただければ、必ずあなたの結論が出ますので安心してください。

この記事を読むとわかること
  • 一社検討と相見積もりの違い
  • それぞれのメリット・デメリット
  • みんなの意見
  • あなたにとって、どちらが良いかがわかる。←これが一番大事

果たして、一社検討の魅力とは?
相見積もりは悪なのか?
相見積もりと一社検討はどっちがいいのか?
それぞれの、メリットデメリットとは?

そのような疑問に、お答えしたいと思います。

僕は、普段Twitter上でさまざまな施主さんと交流しています。
また、メールやTwitterのDMなどで、これまで20人以上の施主さんの相談に乗ってきました。
そういった経験を踏まえて、みなさんと同じ“施主目線”でお話ししていきたいと思います。

先に、僕の結論を言うと、こんな感じです。

ひと通り家づくりを経験して、僕が出した結論。
  • 一社検討が向いている人(難易度:★★★★)
    ・時間と労力を、そこまでかけたくない人。
    ・ハウスメーカー選びより、家づくりに集中したい人。
    ・気に入ったハウスメーカーの、全力のプランを見たい人
    値引き交渉に自信がある人。もしくは、値引き交渉をするつもりがない人。
    ・見積もりのうち、割高になっている項目がわかる人(例えば、仮設工事費など)。
    ・土地を確保してあり、見積もりの交渉期間に余裕のある人。
    ・担当者(営業マンや設計士など)の目利きに、自信がある人。
  • 相見積もりが向いている人(難易度:★★)
    ・時間と労力をかけてでも、プランを比較検討したい人。
    ・値引き交渉に自信がない人。
    ・より確実に、妥当な金額で注文住宅を建てたい人。
    ・土地をこれから購入する人。
    ・担当者(営業マンや設計士など)の目利きに、自信がない人。

断言します。
初心者は「相見積もり」がおすすめです。
ほとんどの人が、家づくりの初心者です。
僕もそうでした。

僕があなたにお勧めするなら「相見積もり」です。
これは、僕のところに相談に来られた方々全員にお伝えしています。

しかし、もし仮にもう一度家づくりするなら、僕はきっと「土地購入を先に済ませてから一社検討」という作戦で挑みます。
一社検討のほうが難易度は高いですが、要点がわかっていれば、良い家づくりをすることができます。

なぜ、初心者には「相見積もり」を勧めるのか?
なぜ、カツオが2回目の家づくりをするなら「一社検討」なのか?
このあと、詳しく解説していきます。
これから注文住宅を検討する人にとって、必ず役に立つ内容ですので、ぜひ最後まで見ていってください。

それでは、やっていきましょう!

一社検討とは?相見積もりとは?(ハウスメーカー選びの流れ)

まずここでは「一社検討」と「相見積もり」の定義を、ハッキリしておきます。
そのためにはまず、ハウスメーカー選びの流れをおさらいしておきます。

みなさんのハウスメーカー選びは、このように進みます。

STEP.1
情報収集・予算決め
検討するハウスメーカーの洗い出し、絞り込みを行う。
どれくらいの金額までなら、お金を払えるか検討する。
STEP.2
ハウスメーカー選び・土地探し
住宅展示場に行ったり、営業マンと打ち合わせをし、各ハウスメーカーの理解を深める。
土地がない人は、土地探しも同時に行う。
STEP.3
プラン提案・見積もり
ハウスメーカーからプラン提案と見積もりをもらい、検討する。
「一社検討」の場合 ⇒ 1社
「相見積もり」の場合 ⇒ 2社以上
STEP.4
契約
プランと金額に納得したら、ハウスメーカーと建築請負契約を結ぶ。
土地がない人は、土地購入の決断(売買契約)もこのタイミング。
STEP.5
家づくりスタート
打ち合わせで、家づくりの詳細を決めていく。

以上がハウスメーカー選びの流れです。

このなかで、「STEP.3 プラン提案・見積もり」のときに、何社に見積もりを依頼するか?
それが、「一社検討」と「相見積もり」の違いです。

一社検討とは?相見積もりとは?
  • 一社検討とは? ⇒ プラン提案と見積もりを「1社」からもらうこと。
  • 相見積もりとは? ⇒ プラン提案と見積もりを「2社以上」からもらうこと。

4つの比較ポイント

この記事では、4つの項目に分けて、「一社検討」と「相見積もり」を比較していきます。
4つの項目は、以下の通り。

  1. プラン(どちらが魅力的な間取りに近づけるか)
  2. 駆け引き(営業マンが考えること、施主側の注意点)
  3. 金額(どちらがお得か)
  4. 信頼関係(営業マンのやる気に影響はあるか)

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

①プラン(どちらが魅力的な間取りに近づけるか)

せっかく注文住宅を建てるなら、素敵なお家に住みたいですよね。
そのためには、ハウスメーカーに魅力的なプランを提案してもらう必要があります。
「一社検討」「相見積もり」を比べたとき、果たしてどちらのほうが魅力的なプランと出会えるでしょうか。
僕の考えを、お話しします。

相見積もりをすると、競合他社に勝つための提案をされる。

ある日、とあるハウスメーカーの営業マンの話を、Twitterのスペースで聞くことができました。
話の流れで、その営業マンが現在プランを提案しているお客様の話になりました。

「いまプラン提案しているお客さんがいるんですが、(競合他社の)住友林業が強くて・・・」

どうやらお客様へのプラン提案が、難航しているとのこと。
営業マンは、続けてこう言いました。

「住友林業にできなくて、当社にできることを全力でアピールしていきます。」
「この作戦で行けば、住友林業が真似しようとしても、割高になるはず。」

この話を聞いて、僕は思わず口を塞いでしまいました。
本来は、お客様のための家づくり。
それが、家づくりの「勝負」に変わってしまう瞬間を、僕は目の当たりにしました。

それと同時に、自分が相見積もりした当時のことを、思い出しました。
「各社の間取り提案は、きっと“勝つための提案”だったんだ…」
と、今さらながら気づく自分がいたのです。

相見積もりを取ると、ハウスメーカーが何を考えるか。
それは、競合他社に「勝つ」こと。

もちろん、基本的にはお客様のための提案をしてくれるはずです。
しかし、いくつか「強い味付け」のようなものがある可能性は、否定できません。

もし「一社検討」するなら、そういった余計な“ノイズ”を除去することができます。
施主の要望に沿って、設計士の全力のプランを見ることができるでしょう。

プランの特徴

〇 一社検討の場合・・・施主の要望に沿って、設計士の全力のプランを見ることができる。

△ 相見積もりの場合・・・競合他社に勝つための間取りを、提案される可能性がある。

各社のプランを相見積もりすることで、納得感が得られる。

ここまでの話だけ聞くと、
「相見積もりでは、良い間取りと出会えないのか…」
と思うかもしれません。

しかし、「一社検討」にもデメリットがあります。
それは、
「一社しか、プランを見ることができない。」
ということ。

仮にあなたが、一社だけに間取りを書いてもらった時のことを想像してみてください。
ハウスメーカーから提示されたプランの良し悪しは、どうやって判断しますか?

「このプラン、なんとなくいい気もするけど、悪い気もする。」
「なにか、見落としていることはないかな?」
「実は、もっと良い間取りがあるんじゃないか?」
そのような疑問や感想が湧き、不安になります。
一社しか見れないから。

少しでも不安が残る状態で、前に進めると、
「あぁ、あのとき他のハウスメーカーのプランも見たかったなぁ。」
と、一生後悔する可能性があります。

「一社検討でプランが気に入らなければ、それから他社を検討すればいいんじゃない?」
と思う方が、いるかもしれません。

それは確かにその通りです。
時間制限のない方は、それでもいいかもしれません。
しかし、時間の制約がある方には、この考え方は向いてません。

特に、土地購入を同時に検討する人は、難しいでしょう。
土地を見つけて、ハウスメーカーにプラン提案してもらってから、土地の売買契約までのリミットが近いからです。
通常は1~2週間で、土地とハウスメーカーを同時に決めなければなりません。

「一社検討」の最大のデメリットは、「プランの良し悪しの判断に迷う」ことです。

逆に「相見積もり」のメリットは、「同時に複数のプランを比較することができる」こと。
相見積もりなら、各社のプランを比較して一番気に入ったところを選べばOK。
一社のプランを吟味するよりも、比較的簡単です。

プランの特徴

× 一社検討の場合・・・提示されたプランの良し悪しの判断が、難しい。他社のプランを検討しなかったことに、後悔する可能性がある。土地の売買契約などの時間制限がある場合、他社を検討しなおす時間はない。
〇 相見積もりの場合・・・複数社を比較して、そのなかで最高のプランを選ぶことができる。各社のプランを相見積もりすることで、納得感が得られる。

②駆け引き(営業マンが考えること、施主側の注意点)

「できることなら、営業マンと駆け引きをしたくない。」
そう思いますよね。
僕もそう思っていましたが、実際には駆け引きがありました。

注文住宅業界には値引きの文化があり、それよって駆け引きがどうしても発生します。
ここでは、「相見積もり」と「一社検討」を比較し、それぞれどのような駆け引きになるか解説します。

相見積もりは「最後の値引き」合戦の始まり

相見積もりをする場合、ほとんどの方は営業マンに対して「相見積もりをする」ことを伝えるでしょう。
そのほうが、値引きを引き出せるからです。
これは、一見すると理にかなっています。

しかし、これを聞いた営業マンが、どう思うか知っていますか?

競合他社の存在を知った営業マンが、考えること。
それは、
最後の値引きのために、余力を残しておこう。」
です。

相見積もりの戦いになったとき、営業マンが目指している”勝ちパターン”を知っていますか?
それは、「最後の決断を値引きで迫り、その場で決着をつけること」です。

お客様の気分は不安定です。
「持ち帰って検討します」
なんて言われたら、他社に契約を持っていかれる。
なんでもそうですが、最後に会った営業マンが強いです。

これは大事なことなので、覚えてください。
注文住宅の契約は、最後に会った営業マンが勝ち取ります。
お客様となるべく最後に会って、値引きでインパクトを出し、その場で決着。
これが、営業マンが目指していることです。

ここで重要なのは「最後の値引き」
値引きは、お客さんの心を揺さぶります。
だから、営業マンは最後にドンと値引きできるよう、余力を確保しておくんです。

「そんなことするなよ!」
と思うかもしれませんが、営業マンからすれば、
「相見積もりを仕掛けてきたのは、そっちでしょ!」
と言いたいところです。

仮にあなたが相見積もりしたら、以下の2つの駆け引きに巻き込まれるでしょう。

  • 各社の営業マンによる、最後に会いたい合戦
  • 最後の最後まで、みんな値引きしてくれない。

もはや、「茶番」ですw
仕方ありません。

各社の営業マンは、最後の値引きで契約を迫りたい。
そのため、なるべくあなたと最後に会おうとします。

「他社との打ち合わせのご予定はありますか?」
「それならもう一度、上司に掛け合います。また会ってもらえませんか?」
というように。

それから、最後の最後まで値引きを隠しています。
最後の値引きが提示されるのは、極端な話、あなたが
「もし、〇〇〇〇万円にしていただけたら、契約します。
と言った瞬間です。

最後の値引きが50万円なのか、100万円なのかは、わかりません。
いずれにしても、最後のひと押しの瞬間を、営業マンの様子をうかがいながら決める必要があります。

「これが、最後の打ち合わせだ。」
ということを、お互いに共通認識として持ってください。
そのうえで、
「最後の値引きを、見せてください」
と言ってください。
(もちろん、やんわりとですよw)

ひとつ気を付けてほしいのは、最初に提示された各社の見積もりを比較するときです。
各社の見積もりは、まだ値引きに余力があるので、それらの金額だけでは判断できません。
「あといくら値引きできそうか」
そこを探りながら、比較する必要があります。

相見積もりすると、こんな駆け引きになる

・営業マンは、最後に会いたがる
・相見積もりを仕掛けると、「最後の値引き」を隠される
・それを引き出すには、お互いに「これが最後の打合せだ」という共通認識を持つこと。
・契約が迫った時に、最後の値引きが出てくる。
各社の最初の見積もりは、値引きが足りていない。その金額では、比較しないこと。

実は、一社検討でも駆け引きがある。

では、「一社検討」なら、駆け引きはないのでしょうか?
実は、一概にそうとも言えません。

お客様が「一社検討」の場合、営業マンからすると競合他社を意識しなくて良いです。
そのため、「最後の値引き」でインパクトを出す必要がなく、値引きの余力を取っておく必要がありません。

わりと早い段階で、値引きを最大限出してもらえます。
もちろん、予算が厳しいことは伝える必要がありますが。

しかし、例外があります。
たとえ「一社検討」であっても、「相見積もり」のときと同様に「最後の値引き」を隠されるケースがあります。

例えば、親御さんが後から出てくるケース。

「土地を親御さんからもらった」
「資金援助を受けている」
などの場合、打ち合わせの終盤で、親御さんが出てきます。
営業マンからしたら、ラスボスのイメージですねw

そういったときに、親御さんが必ず言ってくるのが、
「ところでさぁ、この金額なんとかならんのかね。」
です。
やはり、ラスボスw

この最後のタイミングでインパクトのある値引きを出さないと、話がスムーズに進みません。
なので、親御さんが後から出てくるケースでは、相見積もりの場合と同様に「最後の値引き」の駆け引きがあります。

これはほんの一例でしかなく、営業マンがお客様を見て、あえて「最後の値引き」を確保することはあるでしょう。
たとえ「一社検討」であっても。

「一社検討」でおすすめの交渉方法は、予算を少し低めに伝えることです。
あなたから、
「予算に満たないものは、どうにもならない」
と言って、何度も何度も粘る

それに対して、営業マンのほうも、何度も何度も粘る
これもある種の”茶番”ですが、こうすることで「一社検討」であっても最大限の値引きを引き出すことは可能です。

ちなみに、この作戦を実行できるのは、契約期限に余裕がある人だけです。
例えば、土地購入する予定の場合は、このようなじっくりとした戦いは無理です。
売買契約日というリミットがあるから。
なので、土地を購入して注文住宅を建てる方には、「一社検討」はおすすめしません。

一社検討における駆け引き

・「最後に親御さんが出てくる」ケースなどでは、営業マンが「最後の値引き」を確保しておくことがある。
・値引き交渉するときは、少し低めの予算を伝えて、ひたすら粘ること。そうすうれば、一社検討でも値引きを最大限引き出すことは可能。

土地購入などが理由で、契約の期限がある人には「一社検討」はおすすめしません。値引き交渉のために、粘る時間がないから。

③お金(どちらがお得か)

できることなら、少しでも安く家を建てたい。
誰もが、そう思いますよね。

「相見積もり」と「一社検討」を比べたとき、金額にどのような違いがあるでしょうか。
ここでは、3つのお話をしたいと思います。

値引きの最大値は、「相見積もり」でも「一社検討」でも、同じ。

「家を安く建てるためには、必ず相見積もりしましょう」
というのは、もっともらしいフレーズです。

僕もそう思い、当時は相見積もりをしました。
相見積もりは、ビジネスの基本です。
少しでも自分たちのお金を守るために、相見積もりを取ることは自然なこと。

しかし、僕が家づくりを終えたのちに、SNS上でいろんな施主さんと交流していくと、あることに気が付きます。
実は、一社検討でも相当お安く家を建てている方がいます。

実際に見積もりを見せてもらったこともあります。
「なんで、こんなに安く建ててるんだ!?」
と、びっくりすることも。
そして詳しく話を聞くと、実は「一社検討」だったりします。

このようなお施主さんと幾度となく出会ったことで、僕は以下のような疑問を持つようになりました。
「値引きを引き出すには相見積もりが良いって、本当なのか?」

SNSで交流させていただいているお施主さんや、元ハウスメーカー社員の方々の口コミをもとに話します。

僕がたどり着いた結論。
それは、

「値引きの最大値は、相見積もりでも一社検討でも、同じ。」

です。

もちろん、相見積もりで値引きを引き出すことはできます。
しかし、一社検討だからといって、値引きが引き出せないわけではありません。
この点を、僕はずっと勘違いしていました。

いまなら断言します。

「一社検討でも、値引きの最大値を引き出すことは可能です。」

ただしひとつ注意点があって、相見積もりよりも難易度は高いです。
それは、どういうことか。
大事なことは、駆け引きをすることであって、必ずしも相見積もりである必要はありません。

例えば、「何度も打合せをしてるのに、なかなか契約しない」といった作戦です。
一社検討でもお安く建てた施主さんは、僕が知る限り、だいたいこのパターンです。

金額と値引きについて

・値引きの最大値は、「相見積もり」でも「一社検討」でも、同じ

・「一社検討」で値引きを引き出すには、何度も打合せをして、粘る

一社検討の値引き交渉は、難易度が高い。

一社検討で値引きを引き出すのは、相見積もりよりも難しいです。

なぜなら、「なかなか契約しない」理由を説明しなければならないから
相見積もりであれば、「他社と比較して~」と言えますが、一社検討の場合にこのような喋り方はできません。

一社検討の交渉材料として、よく使われるのは「予算」の話です。
予算の伝え方も、営業マンが諦めないように、ギリギリのラインを狙っていかなければなりません。
いずれにしても、交渉材料として自分たちのことを真摯に説明していく必要があります。
これが、一社検討の難易度が高い、ひとつ目の理由です。

また、一社検討の難易度が高い理由の2つ目は、「土地をすでに手に入れている」必要があるから
詳細の解説はここでは省きますが、土地を購入して見積もりを取るには、土地の売買契約日という期日があります。
つまり、ダラダラと打合せしたり、交渉する時間がとれません。

気に入った土地というのは、そう滅多にお目にかかれるものでもありませんから、営業マンからしたら落としやすいわけです。
そうなると、一社検討での値引き交渉は、厳しいでしょう。

以上の理由から、一社検討の値引き交渉は難易度が高いです。

一方で、相見積もりであれば、一社検討のような難しさはありません。
時間と労力はかかるものの、各社を比較検討していけば、勝手に営業マンにプレッシャーがかかります

「○○社の、間取りのほうが気に入っていて…」
「○○社の金額が、○○万円安くて…」
と、素直に伝えるだけでいいのです。

値引き交渉の違い

一社検討の値引き交渉は、難易度が高い。競合他社ではなく、自分たちが理由を説明する必要があるから。代表的な理由は「予算」
・一社検討の場合、時間を使って交渉することになる。土地を購入済みで挑まないと、値引き交渉は厳しい。
・相見積もりのほうが、初心者向き。競合他社と比較した感想を素直に伝えるだけで、営業マンに値引きのプレッシャーがかかる。
・ただし、相見積もりは時間と労力がかかる。

一社検討には、リスクがある

ここまでの話を聞くと、
「一社検討でも値引きを最大限引き出せるのか、よしやってみよう!」
と思うかもしれません。

ですが、ちょっと待ってください。
実は「一社検討」には、ひとつ重大な落とし穴があるんです。
僕の実体験を踏まえて、お話しします。

僕は、住友林業、積水ハウス、三井ホームの3社で相見積もりしました。
その中でも住友林業と三井ホームは、よく競合するハウスメーカーです。

住友林業と三井ホームって、どっちのほうが高いと思いますか?
僕がハウスメーカー選びをしていたころは、三井ホームのほうが高いと思っていました。
ネット上でたまたま見つけた“坪単価ランキング”を、信じてしまっていました。

しかし、実際に相見積もりを取ってみたら、住友林業のほうが三井ホームよりも800万円以上高かったです。
延床面積は32坪で同じであり、まぁ少しは住友林業の方が面白いプランではありましたが。

これは僕ひとりの事例でしかありません。
人によっては逆に「三井ホームの方が500万円高かった」と言う施主さんもいます。

家づくりにかかる金額は、たしかにハウスメーカーによってある程度決まります。
しかし、それ以上に「エリア」「タイミング」によっても、まったく異なってきます。
そのため、同じハウスメーカーであっても、人によって驚くほど違う金額になります。

なぜなら、支店長やグループ長とよばれる人が、利益率を決定する権限をもっているから。
住友林業が(値引きを)攻めているエリアもあれば、三井ホームが攻めているエリアもあるわけです。

あなたが仮に「一社検討」するとしたら、見積もりが割高になる可能性があります。
もし、「相見積もり」して他社も検討すれば、思いのほか割安で建てられる可能性があるかもしれません。

一社検討のリスク

・エリアやタイミングによって、同じハウスメーカーでも割高なことがある。
・一社検討の場合、割高な金額で契約してしまう可能性がある。

・相見積もりなら、思いのほか安い金額で建てられるハウスメーカーを見つけられるかも。

④信頼関係(営業マンのやる気に影響はあるか)

相見積もりを取ると、営業マンに嫌われる?
信頼関係が築けない?
そう心配する人も、いるでしょう。

ですが僕は、このような心配はしなくていいと思います。

ここからのお話しは、営業マンの方々には耳障りの良くないお話です。
しかし、僕は施主側の人間です。
忖度抜きでバッサリと行きたいと思います。

営業マンは、相見積もりに慣れている

先ほどのデータの通り、約6割の施主が相見積もりをします。
つまり理論上、営業マンから見れば「約8割以上は、相見積もりのお客様」になります。

カツオ調べ

一社検討が4割で、相見積もりが6割
相見積もりのお客様は、少なくとも2社は検討します。
すると、営業マンから見たお客様の割合は、4:6ではなく、4:12です。

実際には2社ではなく、3社以上で相見積もりするお客様もいます。
よって、営業マンからすると「約8割以上は、相見積もりのお客様」というわけです。

営業マンは、相見積もりされることに慣れています。
いちいち、
「あのお客さんは相見積もりしてきたから、適当に仕事しよ」
とか思いません。

ましてや、いまや注文住宅は買い手市場です。
残念ながら、日本において右肩下がりの産業。
相見積もりされたくらいで、お客様を選べるような状況ではありません。

参考までに、野村総合研究所が発表したレポートから、下記を引用します。

新設住宅着工戸数は、2018年度の95万戸から、2025年度には73万戸、2030年度には63万戸と減少していく見込みです。

「2030年度の新設住宅着工戸数は63万戸に減少、リフォーム市場は6兆円~7兆円台で横ばいが続く」
野村総合研究所

かつてバブル崩壊前の1980年代では、年間の新設住宅着工戸数は150万棟以上でした。
しかし、ここ最近は100万棟を切っています。
少子高齢化が続く日本では、今後厳しい状況が続くと見られます。

注文住宅業界は、お客さんを選べる状況ではありません。
しかし、そうは言っても営業マンも人間です。
たしかに「相見積もり」でやる気を失う営業マンも、いるかもしれません。

やはり、少し不安になりますよね?
そんな心配性のあなたに、全力で伝えたいことがあります。

そんな営業マンと、家づくりしたいですか?
相見積もりしたくらいでやる気を失う営業マンと、良い未来はありますか?

相見積もりでやる気を失う営業マンとは、家づくりしなくていい。

ネット上には「一社検討」を勧める人たちがいます。
カツオも、この記事で「一社検討」のメリットに触れていますので、同意できる部分はあります。
しかし、「一社検討」を勧める方がよく使うフレーズで、1ミリも同意できないことがあります。

それは、
「相見積もりよりも、一社検討のほうが、営業マンのやる気が出る。」
「営業マンも人間ですから。」
というもの。

実際にあなたが、もしこういう営業マンと出会ったら、残念ながらご縁がなかったと思ってください。
そのハウスメーカーで家を建てるのは、諦めたほうが良いです。

家づくりは、長い戦いになります。
営業マンは、あなたと二人三脚で家づくりに携わる大事なパートナー。
打合せを進めるなかで、修羅場のようになることもあるでしょう。
いままで20人以上の施主と会話してきましたが、ひとつも揉め事なく家づくりを終えた人を、僕は見たことがありません。

そんな大事な役割である営業マンが、たかが相見積もりされたくらいでやる気を失う?
笑わせないでください。
そんなことでやる気を失う営業マンは、他の理由でもすぐにやる気を失うでしょう。

家づくりは遊びではありません。
一生のうちで、これ以上の金額の買い物はありません。
なので、たかが「相見積もり」されたくらいでやる気を失わない、タフな営業マンを探してください。

僕は、相見積もりをしました。
三井ホームの営業マンには、さぞ嫌がられたことでしょう。

ですが、契約後になにか対応が悪くなったとか、そういうのはありません。
むしろ、見積もりのときと変わらず、適度な緊張感をもって取り組んでいただけました。
営業マンは、やる気にずっと満ち溢れていましたよ。

営業マンとの信頼関係に、「相見積もり」か「一社検討」かは関係ない

・営業マンは、相見積もりに慣れています。心配する必要はありません。
・万が一、相見積もりでやる気を失う営業マンがいれば、そのハウスメーカーは諦めた方が良いです。早期発見できたことをポジティブに捉えましょう。

相見積もりと一社検討のメリット・デメリットまとめ

ここまで、「相見積もり」と「一社検討」の違いについて、4つの観点からお話ししてきました。
まるっとまとめて、メリット・デメリットをひとつの表にまとめると、こんな感じです。

相見積もり(難易度:★★)一社検討(難易度:★★★★)
メリット・競合他社を引き合いに出すことで、交渉は進めやすい
妥当な金額で建てられるHMを見つけられる。
・プランを比較検討でき、後悔が少ない。
・営業マンを、深く比較することができる。相見積もりでやる気を失うような営業マンを掴まなくて済む。
・時間と労力を温存し、プラン検討に集中できる。
・競合他社に勝つためではなく、施主のためのプラン提案を受けられる(設計士が優秀なHMの場合)
デメリット時間労力は覚悟する。
「競合他社に勝つための間取り」を提案される可能性がある。
・値引きを引き出すには、少しコツがいる。
割高になるリスクがある。
・1社だけのプランを見て、その良し悪しを判断する必要がある。
・営業マンの見極めが難しい。
向いている人・時間と労力をかけてでも、プランを比較検討したい人。
・値引き交渉に自信がない人。
・より確実に、妥当な金額で注文住宅を建てたい人。
・土地をこれから購入する人。
・担当者(営業マンや設計士など)の目利きに、自信がない人。
・時間と労力を、そこまでかけたくない人。
・ハウスメーカー選びより、家づくりに集中したい人。
・気に入ったハウスメーカーの、全力のプランを見たい人。
・値引き交渉に自信がある人。もしくは、値引き交渉をするつもりがない人。
・見積もりのうち、割高になっている項目がわかる人(例えば、仮設工事費など)。
・土地を確保してあり、見積もりの交渉期間に余裕のある人。
・担当者(営業マンや設計士など)の目利きに、自信がある人。

もし僕があなたにお勧めするなら、「相見積もり」をおすすめします。
時間と労力はかかりますが、交渉の難易度が低いのと、様々なプランを比較検討できるメリットは大きいです。
これは、僕のところに相談に来られた方々全員にお伝えしています。

みんなの意見

ここまで、「一社検討」と「相見積もり」について、カツオの意見を述べてきました。
これはあくまで、一人の施主の意見でしかありません。

今回アンケートを取らせていただいた方から、様々な意見をいただきました。
一緒に見ていきましょう。

データによると、相見積もりのほうが後悔が少ない。

まず冒頭でもご紹介したアンケート結果を分析してみます。
注目すべきは、「次は○○したい」のところです。

カツオ調べ

「一社検討」した人は41.9%ですが、16.3%の人は「次は相見積もりしたい」と回答しています。
これは言い換えると、
「一社検討した人のうち人にひとりは、相見積もりすればよかったと思っている」
ということです。

ここまで、繰り返し「一社検討は難易度が高い」と説明させていただきました。
その意見を裏付けるようなデータになっているのではないでしょうか。

対して「相見積もり」した人は58.2%で、9.4%の人が「次は一社検討したい」と回答しています。
「相見積もり」した人は、わりと後悔が少ないようです。

一社検討した人たちの意見

今回アンケートを取ったついでに、みなさんからご意見を頂戴しました。
施主たちの“生の声”を、ぜひ参考にしてください。

複数社検討したけど、見積もりは1社。

でかサモちゃんは、三井ホーム、住友林業、積水ハウスを比較検討し、最終的には三井ホームで「一社検討」しました。
でかサモちゃんのブログ記事で、比較検討の過程が紹介されています。
ぜひ参考にしてください。

唯一無二の魅力に惹かれて

ここさんは、三菱地所ホームの施主さんです。
全館空調システム「エアロテック」に惚れこみました。

実は僕の上司も三菱地所ホームでして、エアロテックを気に入っています。
僕に対して「三菱地所ホームで建てろ」とまでは言わないまでも、「全館空調はいいぞ」と、よく言われましたw

なので、ここさんの熱量は手に取るようにわかります。
このように、唯一無二の魅力に惹かれて1社に決められる人は、ある意味恵まれていて、後悔も少ない気がします。

1社ずつ検討して、3社目で決めた。

1社検討だった。時間があれば、他社のプランも見たかった。

税制改正や補助打ち切りなど、制限時間のようなものがあると、相見積もりするほど余裕がないケースも。
ましてや、お子さんが小さかったりすると、大変ですよね。
うちもHM選びしていた頃は、子供が1歳と3歳だったので、お気持ちよくわかります…

相見積もりした人たちの意見

相見積もりで、相場観が磨かれた。

相見積もりしたけど、次は一社検討したい。

実は僕もkikoristさんと同意見です。
僕も相見積もりしましたが、できれば次は一社検討したいと思います。

「一社検討」は難易度が高いです。
他人にはあまりお勧めしませんが、2回目ならできる気がします。
詳しくは、この記事の最後にお話しします。

なんだかんだで、相見積もりは「値引き圧力」になる。

相見積もりの末、2社とも断った夜。情熱的な男が2人、自宅にやってきた。

もうね、恋愛ドラマですよ。
相見積もりの大変さが伝わってきます。
大変な思いをされていますが、なんやかんやで”ちゃっかり”値引きを勝ち取っています。

一社検討するほど惚れこむ出会いはなく、相見積もり。

相見積もりが役に立った。

相見積もりしたけど、ハウスメーカーによっては値引きがない。

相見積もりをしたところで、いっさい値引きをしないハウスメーカーもあります。
でも、念のための確認ができたのは、確かによかった。

記事の中で紹介した通り、営業マンが「最後の値引き」を確保している事例です。
さにはさんが受けた印象は悪く、逆効果だったようです。

予算内で建てられるところを、相見積もりして確認。

僕がもう一度、家づくりするなら。

先ほども少し触れましたが、もし僕がもう一度家するとしたら、「一社検討」したいです。
「一社検討」の最大のメリットは、優秀な設計士の全力のプランを見れること。
そのためには、そもそも優秀な設計士が在籍しているハウスメーカーを検討する必要がありますが。

相見積もりを取ってしまうと、どうしてもプランについて営業マンから“余計な指示”が行われる可能性があります。
「競合に勝てるプラン」を提示するのが、営業マンの仕事だからです。

例えば、

  • うちはツーバイフォーなんだから、全館空調をプランに入れてくれ。
  • お客さんに「木のぬくもり」を猛プッシュしたいから、無垢床+床暖房を入れてくれ。
  • うちは太陽光パネルが安く入れられるんだから、プランに入れちゃって。

というような感じです。

いまも日本のどこかでは、「そんなこと言ってないのに、なんでこの仕様にしたの?」と感じずにはいられない“珍プラン”に、首をかしげているお客様がいることでしょう。

もし僕がまた家を建てるなら、「競合に勝つためのプラン提案」は受けたくありません。

「一社検討」するための大前提として、特に土地購入を先に済ませる必要があります。
なので、「土地購入を先に済ませてから一社検討」という作戦で挑みます。


記事の内容は、以上となります。

あなたは、「一社検討」と「相見積もり」だったら、どちらを選びますか?
この記事に、僕の考えをすべて詰め込みました。
繰り返し読んでいただければ、必ずあなたに合った答えが見つかるはずです。

この記事が、あなたの家づくりの一助になっていれば、幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

カツオ